香典袋・書き方

日本は憲法の段階で信教の自由が保障されている国です。そのためか、先進国の中でも数多くの宗派が乱立しているといえます。
その分だけ冠婚葬祭におけるしきたりも混在しており、香典を包む場面においても大きな悩みをもたらしてしまうのです。宗派ごとの香典袋の書き方について紹介していきます。

宗派ごとに違う? 香典袋の書き方を知ろう

宗派は昔から冠婚葬祭の一切を取り仕切る役目を与えられていると言えます。結婚式での教会結婚式や神前結婚式などがその代表的な例です。日本国内での葬式の場合、大多数が仏式で執り行われますが、キリスト式や神式で行われる場合もあるのです。

宗派によって書き方を変える理由

宗派の違いはお葬式の内容だけでなく、香典袋の書き方にも表れてきます。第一に「香典」または「香奠」という言葉は一般用語として定着していますが、元々は仏教用語として使われていた言葉です。

つまり、キリスト教や神道に仏教の香典を持っていくのはおかしいことなので、香典と同じ「金銭でのお供え物」という意味があるものを持っていくのが当然と言えます。

宗派ごとの考え方の違いとは

仏教やキリスト教など、宗派は一度挙げればキリがないほど存在していますが、これらの宗派を分けているのは、様々な「考え方」の違いにあります。

一神教か多神教であるかなど、根元から枝葉の部分に至るまでの考え方の違いがあるからこそ、多様性を持って宗派が乱立しているのです。

同じ仏教に属する宗派であっても、故人の魂が「輪廻転生する」のか、「極楽浄土に旅立つ」のかという違いがあります。このような違いの積み重ねは、香典の書き方にも影響を及ぼしていくのです。

宗派ごとの香典の書き方・封筒の選び方

日本においてお葬式を扱っている主要な宗派は仏教・キリスト教・神道の三つに絞られます。香典の書き方や封筒の選び方もこの三つの宗派に合わせて選ぶのが基本となります。

特に「不祝儀」とも言われる香典の封筒は、結婚式や出産祝いなどのご祝儀に使うものと厳密に区別されているので「手元に無いから」と言うような安易な考えで流用してはいけません。

また、香典を書く時に使う筆記具は薄墨のものとされているので筆ペンを用意しておくと良いでしょう。

仏教の場合の書き方と封筒

香典用に市販されている水引付き封筒の多くは、仏教に基づく仏式仕様になっていると断言できます。

白黒または銀色の「結び切り」型の封筒を使うようにします。

水引の中心部上方に「御霊前」「御香典」「御香料」と書き、その下に名前を書きます。

注意しておきたいのは、宗派が浄土真宗の場合は故人が即座に仏様になったと見做すので「御霊前」ではなく四十九日以後に使う「御仏前」、曹洞宗などの禅宗の場合は極楽浄土という考え方が無いので四十九日関係なく「御仏前」を使います。

御香典・御仏前は旧字体の「御香奠」「御佛前」と書いても良いでしょう。

神道の場合の書き方と封筒

日本古来より伝わる神道は元々仏教と明確な区切りが無かったのですが、江戸時代に行われた神仏分離以降から別の宗派と見做されるようになっています。

現代では結婚式や七五三などの祝い事が中心と考えられていますが、稀にお葬式にも関わる事があります。めったに無い形式ですが覚えておいて損は無いでしょう。

神道に基づく神式葬儀には、白一色の結び切り水引がついている封筒を使います。

無い場合は仏式の黒白・銀色の水引封筒でも構いません。封筒上部には「御霊前」「御玉串料」「御神前」と記します。

「御霊前」は宗派を問わずに使える万能性があるので、困った時は「御霊前」ととりあえず記すと良いでしょう。

キリスト教の場合の書き方と封筒

仏教・神道に比べ日本での歴史が浅いキリスト教ですが、冠婚葬祭においては高いシェアを誇っている宗派であるともいえます。

キリスト式葬儀は正式には「葬儀ミサ」と呼ばれ、馴染み深い仏式葬儀とは別種の厳かな雰囲気を持っているのが特徴です。

キリスト式葬儀の場合、普通の白封筒の右上に十字を書いたものか十字が印刷された専用の封筒を使います。封筒の表面上部には「御霊前」「御花料」「献花料」と書きいれます。

プロテスタント派の場合は「忌慰料」も使われます。葬儀ミサでは棺に生花を添える為、仏式のお香の代わりに「お花代」という名目で香典を包んでいるのです。

香典について、さらに詳しく読みたい